テンセキコケムサズ

インドア、アウトドアいろんな趣味に溺れる雑記です

カメラを止めるな!を観た話

巷で話題のカメラを止めるな!をTOHOシネマ日比谷で観てきた話。

 

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この映画を知ったのは、上映館が広がるほんのちょっと前、水曜日ダウンタウンの演出・藤井さんのインスタグラムで「是非見てください」という投稿がきっかけだった。

あんなに面白い人が薦めるのだから、絶対に面白いんだろうと思っていたら瞬く間にテレビ業界の様々な人がラジオ、Twitter等で話題にし始め、すぐに上映館の拡大が決まった。

 

事前情報を一切いれずに鑑賞したいと思っていた僕は、ネットに感想ブログが出現し始めたのを観てすぐにチケットの予約をした。

ゾンビ映画である事と、もう一度観たくなるような伏線がしっかりと貼られたストーリーであるという事以外なにも知らずに鑑賞することができた。

 

 

冒頭のシーンの途中で、各所に普通の映画には無い違和感を感じる。

最初の違和感はすごく小さい。会話に生じるちょっとした間。演技が雑なゾンビ。

その違和感を感じながらも、全部がお芝居(という設定)には見えず、ストーリーの中にある真実を探そうと僕らはスクリーンを凝視した。

 

役者が恐怖する・驚いている表情の中に、本物の感情が垣間見える。

2流役者が行う演技(という設定)とは思えない表情を時々発するので、どこまでがフェイクで、どこからがフェイクじゃないのかわからなくなる。

本当は本物のゾンビがいたんじゃないか。本当に人が死んでしまっているんじゃないか。演技に見せたストーリーの中で、本物の狂気を描いているのだろうか。

そんなシナリオの可能性を考えながら、最後まで気が抜けないまま、ワンカットのゾンビ映画はエンドロールを迎える。

ここでやっと安堵の一息を吐く。

 

一つのストーリーとして完結したことを知らされた僕らは、この話がすべて作り物だったことを教えられる。

ここまでの30分、緊張し続けた僕らの脳みそを解きほぐすように後編が始まる。

 

そこからは今まで僕らを縛ってきた緊張と謎と不安が全て笑いとなって返ってきた。

こんなに楽しい種明かしは久しぶりだった。

あれほど息を飲んで、映画館の全員が固唾をのんで観ていたシーンで、全員が笑っている。

あの時僕が感じていた違和感は間違っていなかったし、後から発見する新たな違和感もあった。そしてその全てが笑いに変わっていく。

微妙な間や視線、雑で変な演技、本物の感情が伝わる表情。

すべての違和感が笑いとなって僕らに返ってきた。

 

確かに、誰にでも薦められる素晴らしい映画だった。

前情報を一切入れないで、今、映画館に観に行ってほしい作品だ。

というまとめ方をこのネタバレしかしていないこの感想文の終わりとする。

 

 

2015年上半期 18本の映画を観た

一覧

 

  • アメリカン・スナイパー
  • ゴーン・ガール
  • インターテスラ
  • ベイマックス
  • ソロモンの偽証 前編
  • イミテーション・ゲーム
  • ナイトオブミュージアム エジプト王の秘密
  • ソロモンの偽証 後編
  • エイプリルフールズ
  • セッション
  • フォーカス
  • トゥモローランド
  • 攻殻機動隊 新劇場版
  • ストレイヤーズ・クロニクル
  • バケモノの子
  • アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン
  • ミニオン
  • ミッション・インポッシブル・ローグネーション

だいぶ観た。

やはり良かったのはゴーン・ガールでした。

 

後半も頑張って映画を観ましょう。

ソロモンの偽証・後編を見た話

前後編に分けた、長大作。

文庫本では全六巻もある巨大ボリューム原作のソロモンの偽証。

その後編を観に行ってきた。

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期待の裁判編、開廷

後編はついに事件の真相が明かされる裁判が始まる。

事件の謎は最後まで明かされず、常に頭で真相を想像しながら観ることになる。

 

ここからはネタバレ含めた話をします。

 

ストーリーには正直がっかり。

裁判編のストーリー展開にはがっかりした。

 

まずカシワギくん。

彼が、人間の心の良心とか、

本音とかそういうところを具現化した存在だと思っていた。

 

だからみんなは、偽善的な行為や罪悪感が残る行為をしている時に、

それを見透かすような視線を感じたんじゃないのか。

そういう神秘的な要素を持つ子ではなかったか!

 

なのになんだあの後半での描かれ方は!

ただの厨二病じゃないか!

ただのサイコなやつじゃないか!

あんなやつに振り回されてしまっていた、

主人公たちがとても陳腐に見えてしまった。

 

次は神原くん。

事件の真相を全部知ってるお前の行動は絶対おかしい。

関係ない不良の子を巻き込んで

多くの人を傷つけて。

マツコちゃん死んじゃったし。

いろんな人を巻き込んだ上で

僕は裁かれるべきだ。なんて都合が本当に良すぎる。

 

ラストシーンの「誰も負けてないよね」

の一言にすごく矛盾を感じ、綺麗事を言っているようにしか見えなかった。

 

いちいち行動が丁寧な中学生に違和感。

演出なのか脚本なのか

裁判中、毎回お礼とか自己紹介とか

そういうのは本来は裁判中ではなく

事前に終わらせておくものじゃないのか。

 

すごく礼儀正しすぎて、とてもお芝居臭く見えてしまった。

それと、藤野さんが裁判の日、登校するシーン。

去り際の玄関に家族が集まり見送る感じ。とても臭すぎる。

ドラマくらいやり過ぎな感じがした。

 

まえだまえだもいちいち礼儀正しいし、エキストラみたいに

おじぎとお礼を不自然にする。

見ていてむず痒い、没入しづらい感じを受けた。

 

永作博美の演技に感激

永作博美さんといえば、きれいな大人の女性。

可愛さを持ち続ける大人の女性というイメージだが、

今回の演技はそんなイメージをぶち壊されるすごいものだった。

 

まさに別人の表情だ。

娘を溺愛するばかり、過保護になる母親という役だが

こういう役は、今までにもたくさん消費されてきたからなのか

だいぶ形ができあがってしまっている気がする。

 

しかし、永作さんはそれを上手いバランスで彼女らしく演じている気がする。

やりすぎていない感がとても良かった。

それに、髪型や化粧のせいなのか、本当にあの永作博美なのか!?

と思うような迫真のシーンも有り、とても感動した。

 

きっと僕が求めていたものとは違ったのだろう。

僕はもっと濃い裁判を求めていたのだと思う。

真実を見つけるために、お互いの思考を探りあい、裏をかきあう。

そんな知力的な喧嘩を見たかったのだ。

 

この映画は何がしたかったのかはわからなかったが、

きっと僕の予想していたことはやってくれなかった。

 

だからこそ、期待していた文の落差が大きい。

 

結局後半少し寝てしまった。

もうそれくらい僕にはピンとこなかった。

 

ナイトミュージアム3を見た話

1と2は見たことないけど

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ナイトミュージアム3を観てきた。

 

もちろん1と2を知らなくても面白い映画だった。

博物館の展示物が動き出すという設定だけ知っていれば、十分楽しめた。

 

今作は親子の縁をテーマにしていたようだ。

1と2を見た人と一緒に観に行ったのだが、前前作から見ている人にとっては

主人公の一人息子が作品ごとに成長していく姿にぐっとくるようだ。

 

ロビン・ウィリアムズの遺作

今作はロビン・ウィリアムズが最後に出演した作品らしい。

劇中、魔法の石版が力を失うに連れて、

ロビン・ウィリアムズの腕や体が固まってしまうのだが

 

「わしはもうだめだ」とか「いつか動かなくなってしまう」

 

とか言われるたびに、本当にロビン・ウィリアムズが死に近づいていっているようで

なんか悲しくなった。

 

悪がいない、ほんわかストーリー

この物語を盛り上げてくれる、悪役は誰なのかなと気にしていたのだが

蓋を開けてみれば、どこにも悪役はおらず

 

それはそれは平和な世界だったので、

とても幸せな気持ちでずっと観ることができた。

 

逆に1や2を観たくなってしまいました。

 

 

 

 

 

ベイマックスを観た話

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CGは来るところまで来た感

CGのリアルな感じがすごかった。
アニメと実写の間にあるのがCG映画だと思ってたけど、
もう全然別次元の、一つの映画の表現方法だよ。

ライバルのミスターカブキの黒いコートがとっっってもカッコ良かった。


ベイマックスのカッコ良いところ

常にヒロを優しく包み込むベイマックス。

作中、一番のパワーを出す瞬間が、

ヒロが危険な状況に巻き込まれるとか、敵に追われるとか、そういうことじゃなく

ヒロが傷や怪我をしてしまった時。というケアロボットのイケメンさに惚れた。

あとは特にないです。

イミテーションゲームを観た話

カンバーバッチ主演。イミテーションゲーム

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天才役を演じることに関して天才

シャーロック然り、天才かつ奇人という役がカンバーバッチにはぴったり。

ただ20代の役はだいぶ無理があったのではないのだろうか。

 

キーラナイトレイの鼻から下は、世界一

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この人のアゴと下唇はすごくセクシー。

あとパイレーツオブカリビアンから少し年齢を重ねて、

とても良い女性になっていると思った。

 

キーラナイトレイのセリフがよかった。

同性愛者であるカンバーバッチと、キーラナイトレイの間に生まれる

世間でいう普通ではない、愛の形。

それでも一緒にいようとするキーラナイトレイのセリフがぐっときた。

 

戦争映画の難しいところ

アメリカンスナイパーを観た時も感じるのだが、

戦争映画には、「自国の英雄を讃える・戦争で勝利した自国を讃える」

ということを一つの美徳のようなものとして表現する部分があると思う。

 

そして、アメリカ人でも、イギリス人でもない僕は

その良さがわからない。

 

その美徳が良くないということではなく、

映画の持つ要素の一つであるその「美徳みたいなもの」を

どうやっても享受できない。

そしてそういう部分が見えてしまった瞬間、その映画に冷めてしまう。

ということが時々起こる。

 

ノンフィクションであるがゆえに、戦争の結果は知っている。

つまり、決まった結末に向かって、

お決まりごとのように主人公が挫折し、そして希望をみつけて

成功へと向かっていく。

 

そういう、フィクションの中で扱われる、「結果どうなるの?」感と、

ノンフィクションの「結末はご存知の通り」感がぶつかる。

 

結果までの過程が重要なんだけど、

ヒーロー感を出す映画だと、お決まりの仲間が助けてくれる展開になる。

このへんのバランスが、戦争映画って難しいと思う。

 

ソロモンの偽証・前編の話

ソロモンの偽証を鑑賞してきた

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前編・後編に分けられた超大作

ソロモンの偽証は、前編・後編に分かれている。

僕はそれだけでわくわくしていた。

 

原作から作られた映画は2時間という時間の縛りに制限され、

細かい説明を省く、もしくはやりたいことを詰め込みすぎてよく分からなくなる。

ということがよくある。

なので、原作があるよりかは、映画のために書き下ろされた作品の方が僕は好きだ。

 

でも、この映画は前編で、軸となる自殺した中学生を取り巻く中学生の

心情とか状況をしっかり描いてくれた。

僕はそれだけで満足だった。

 

ほぼ素人とは思わせない主役の演技

主役の女の子が、この映画の主人公にぴったりの、

とても落ち着きがあり芯のある演技をしていたので、

若手のベテラン女優さんなのだろうなあと、鑑賞中ずっと考えていた。

 

しかし後にググってみると、この映画がデビュー作だということがわかり

驚愕した。

 

あと、他の中学生の子たちがさらに初々しい演技だったので、なおさら

この藤野涼子さんの演技力の凄さを感じた。

あと、芸名も配役の藤野涼子を使うそうだ。

 

マスコミの描かれ方に違和感

この映画でとても違和感に感じたのは、マスコミの報道の仕方だ。

この映画の「事件を取り上げるマスコミ」は現実とはだいぶ違う。

 

事件に直接関係する教師のインタビューを報道。

容疑者の父親の暴力シーンを報道。

生徒たちのインタビューを報道。

あげくのはてに、取材したディレクターが

「正義は一体どこにあるのでしょうか!」とコメント。

 

マスコミの取材・報道がきっかけとなり、この事件が学校外に知れ渡ることになるのだが、現実のマスコミのリアルな報道がされた場合はこんな大事にはならないのではないかと思う。

 

だが、映画やドラマの中のマスコミは大抵このような報道を行う。

真実を見つけ出し社会に公表する、という名目のもと

手段を問わないマスコミ。

実名報道が行われた際の影響など一切無視だ。

このマスコミのあり方にはとても違和感を覚える。

 

あと、この映画の中で、取材ディレクターのおっさんひとりが、

なりふり構わない汚い手段を取っているという感じで描かれているが

実際はマスコミ界全体が汚いやり方を行っているわけで

あのおっさんが役柄的にスケープゴートになっているのがとても気に食わなかった。

 

後編でやっと裁判が始まる

兎にも角にも、裁判は後編から始まる。

僕は裁判の話が大好きなので、後編が本当に楽しみだ。