テンセキコケムサズ

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ソロモンの偽証・後編を見た話

前後編に分けた、長大作。

文庫本では全六巻もある巨大ボリューム原作のソロモンの偽証。

その後編を観に行ってきた。

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期待の裁判編、開廷

後編はついに事件の真相が明かされる裁判が始まる。

事件の謎は最後まで明かされず、常に頭で真相を想像しながら観ることになる。

 

ここからはネタバレ含めた話をします。

 

ストーリーには正直がっかり。

裁判編のストーリー展開にはがっかりした。

 

まずカシワギくん。

彼が、人間の心の良心とか、

本音とかそういうところを具現化した存在だと思っていた。

 

だからみんなは、偽善的な行為や罪悪感が残る行為をしている時に、

それを見透かすような視線を感じたんじゃないのか。

そういう神秘的な要素を持つ子ではなかったか!

 

なのになんだあの後半での描かれ方は!

ただの厨二病じゃないか!

ただのサイコなやつじゃないか!

あんなやつに振り回されてしまっていた、

主人公たちがとても陳腐に見えてしまった。

 

次は神原くん。

事件の真相を全部知ってるお前の行動は絶対おかしい。

関係ない不良の子を巻き込んで

多くの人を傷つけて。

マツコちゃん死んじゃったし。

いろんな人を巻き込んだ上で

僕は裁かれるべきだ。なんて都合が本当に良すぎる。

 

ラストシーンの「誰も負けてないよね」

の一言にすごく矛盾を感じ、綺麗事を言っているようにしか見えなかった。

 

いちいち行動が丁寧な中学生に違和感。

演出なのか脚本なのか

裁判中、毎回お礼とか自己紹介とか

そういうのは本来は裁判中ではなく

事前に終わらせておくものじゃないのか。

 

すごく礼儀正しすぎて、とてもお芝居臭く見えてしまった。

それと、藤野さんが裁判の日、登校するシーン。

去り際の玄関に家族が集まり見送る感じ。とても臭すぎる。

ドラマくらいやり過ぎな感じがした。

 

まえだまえだもいちいち礼儀正しいし、エキストラみたいに

おじぎとお礼を不自然にする。

見ていてむず痒い、没入しづらい感じを受けた。

 

永作博美の演技に感激

永作博美さんといえば、きれいな大人の女性。

可愛さを持ち続ける大人の女性というイメージだが、

今回の演技はそんなイメージをぶち壊されるすごいものだった。

 

まさに別人の表情だ。

娘を溺愛するばかり、過保護になる母親という役だが

こういう役は、今までにもたくさん消費されてきたからなのか

だいぶ形ができあがってしまっている気がする。

 

しかし、永作さんはそれを上手いバランスで彼女らしく演じている気がする。

やりすぎていない感がとても良かった。

それに、髪型や化粧のせいなのか、本当にあの永作博美なのか!?

と思うような迫真のシーンも有り、とても感動した。

 

きっと僕が求めていたものとは違ったのだろう。

僕はもっと濃い裁判を求めていたのだと思う。

真実を見つけるために、お互いの思考を探りあい、裏をかきあう。

そんな知力的な喧嘩を見たかったのだ。

 

この映画は何がしたかったのかはわからなかったが、

きっと僕の予想していたことはやってくれなかった。

 

だからこそ、期待していた文の落差が大きい。

 

結局後半少し寝てしまった。

もうそれくらい僕にはピンとこなかった。