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読書中感想文「 読むだけですっきりわかる日本史 (宝島社文庫) 後藤武士」

 

読むだけですっきりわかる日本史 (宝島社文庫)

読むだけですっきりわかる日本史 (宝島社文庫)

 

 

世界史を一通り勉強したので、今度は日本史の本を読んでみる。

ネットで読みやすいと紹介されていた本。

文体が、~~だよ。と語り口調で書いてあるので、日本史を挫折した高校生に向けてかいてあるみたい。もちろん読みやすいし、理解しやすい。

 

読む前に…

世界史を学ぶことで、歴史の大きな流れを勉強できた。

世界の中では、日本はとても小さな国で、その名前が頻繁に出てくるのも1次大戦以降であるくらい存在感は低い。しかし、1900年以降の日本の存在感は大きく、なぜこんな島国が世界のGDP2位まで成長するのかは、世界史を学んだだけでは理解しきれない。

そんなことを考えながら、日本の歴史を学べればと思う。

 

日本・世界史年表

 http://www.toshin.com/rekishi_list/result.php

 

32ページ読んで…

第1章終わり。旧石器時代から大和時代くらいまで。

気になったのは、日本の文明発展の歴史が遅い事。弥生時代、大陸からやっと稲作や金属の文明が訪れることで、文化的生活が始めるのだが、すでに中国ではキングダムの世界が始まろうとしている。ヨーロッパではアレクサンドロス王が東方遠征を行っている。明らかに発展途上国だ。こんなにも世界と日本の文明発展には差があったのか…知らなかった。

大阪にある一番大きな古墳、大仙古墳にも驚いた。写真の迫力がすごい。僕が知っている行田の古墳とは大違いだ。町一つを飲み込むほどの大きな古墳。しかも宮内庁が調査を許さず、未開の地。謎が多い魅力的な場所に見える。

 

42ページ読んで…

飛鳥時代聖徳太子の話。

17条の憲法が有名。憲法というと、世界史で中東で世界で初めての憲法ができた時に憲法とはなんぞやを勉強した。憲法とは国民のために、国民が守るべきルールとして立てられているが、17条の憲法はもっとゆるい。官僚たちが守るべき指針としてる作られた。

内容が面白い。天皇のいう事を守るという分より先に、仏教を大事にするというルールがある。つまり聖徳太子としては仏教をそれだけ大事にしていたという事だ。すごいよ宗教の力。

その後、蘇我氏の力を抑えようと、中大兄皇子中臣鎌足大化の改新を起こす。

蘇我氏をだまして、天皇との儀式に呼んで、丸腰にしたところを刀で切る。

これがあの有名な大化の改新。おもしろい。あと法隆寺。外交が盛んなときで、外国の文化がたくさん入ってきた。建物の造りや、祀ってあるものがとても面白そう。

 

48ぺージまで読んで…

飛鳥時代の終わり。大化の改新壬申の乱天皇をかけた争いが始まる。

大化の改新は大きな変化のひとつ。まず年号が始まる。令和が公表されたこのタイミングで学べてとても楽しい。それに、国民に田んぼを貸す代わりに、税を納め始める。国として体制ができてきたように思える。

大化の改新が640年ごろ。平城京が710年…飛鳥時代奈良時代がこんなに近いとは知らなかった。教科書をいかに適当に読んでいたかがわかる。

 

52ページまで読んで…

奈良時代。貴族や農民たちの生活ぶりを知るすべとして、この時代に作られた万葉集の歌が取り上げられている。令和という年号が万葉集から引用されたこともあり、2019年の現代で万葉集が再び注目をひそかに浴びている。

万葉集は7世紀~8世紀、ちょうど奈良時代前後に読まれた和歌が集められている。和歌を詠んで感じるのは、その独特なリズムの面白さだ。なぜ日本人は五七五七七のリズムを使って歌を詠もうと思ったのだろうか。少し調べてみたが、日本人が文章を残すようになった時にはすでに五七のリズムで歌っていたようだ。ルーツが気になる。

 

63ページまで読んで…

奈良時代終了。寿命の短い日本人が救いを求めたのが仏教だった。それと様々な書物がこの時代に書かれて、残っている。

 

74ページ読んで…

平安京ができてから100年、唐の政治が不安定になり遣唐使の廃止を決定。そこから唐の文化の物真似をやめて、日本独自の国風文化が生まれる。国風文化って言葉は聞いたことあったけど、どうやって生まれたのか知らなかった。

遣唐使を廃止したのは菅原道真。子供のころから神童と呼ばれ、実力で右大臣まで成り上がったすごい人物。彼が九州に左遷されて、死んでしまうのだが、その直後都でよくないことがたくさん起こり、彼を祀った神社が、学業成就で有名な北野天満宮

彼の死後に起こった害厄のひとつに、落雷事件があり、それ以降雷の神様天神様として、道真は崇められる。学業の神であり、雷の神でもあるわけだ。ちなみに彼が最後に亡くなったのは福岡。この地にある天神という地名はきっと彼から付いた名前だと思う。

 

農民たちは、飛鳥時代大化の改新で口分田を与えられた。一人についきある程度の田んぼを国の者として渡す。そして税を納めさせる。これが奈良時代に、人口が増えて田が足りなくなったので、自分で開墾した分は3世代まで自分の物にできる、三世一身の法をつくり、それでも効果が無く、田んぼを自分のものにできる墾田永年私財法をついに作った。

農民たちは、所有する権利を得たと同時に、中自分たちの田んぼを守らなくてはならなくなった。そこで貴族に差し出し、貴族に年貢を納めることで田んぼを守ってもらった。国に治めていた年貢が、貴族や寺に入るようになり、国の力が弱くなっていく。政治が不安定になると自分たちを守る武力が必要になる。そうして武装した農民の集まりが武士団となり、彼らの勢力が大きくなるにつれ、源氏派と平派の2大勢力に分かれていく。これが武士の始まり。

 

92ページまで読んで…

天皇の政治に絡めて、武士の力が強くなってきた。

上皇が政治をしようとする院政。おそらく最初に始めた人は能力があり、天皇との関係もよかったんだろうが、それを当たり前としてしまえば、本質を知らずただシステムのうま味を味わおうとする人と、本来の天皇が統治するシステムに戻そうとする人が現れるのは至極当然に思えてくる。

この天皇上皇の争いに力を貸すのが平氏と源氏の一族。戦争に勝利した両者はお互いに勝利を導いたというプライドがあるのでぶつかる。これが平氏と源氏の戦いの始まり。結果平氏が勝利する。

六条河原は死刑場で有名な場所。さらし首などをするところだったらしい。