【読書中感想文】 一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書 公立高校教師YouTuberが書いた 山﨑圭一
一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書 公立高校教師YouTuberが書いた
- 作者: 山?圭一
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2018/08/18
- メディア: 単行本
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読む前に…
僕は旅行が苦手だ。
どこか知らない土地に行くという事を目的に旅行ができない。
誰かと行く、綺麗な景色を見に行くという目的ならば旅行に行くことができるが、
知らない都市や街に興味がないのだろう。
その要因の一つに歴史を勉強してこなかったことがあると僕は思っている。
かつて~~な場所だった、~~がいた場所というようなことを知っても、なにも思わない。
こういう時代に栄えていた、こういう時代背景があったからこの町はこうなっている。
知らん。
日本の歴史、世界の歴史の基礎が頭にないために、知識を連結させることができない。
お城や武将などわかりやすい観光名所に何も感じない。
僕は旅行がしたい。一人旅をしてみたい。そのためにはいく場所を見つけたいのである。これが歴史を勉強しようと思ったきっかけである。
また、上記のようなことを考え出してから、積極的に歴史を頭にインプットしてみた。すると、とても面白い。
鉄道博物館で電車の歴史を知った。戦後の発展の中で1900年ごろ、日常に電車が使われ始めている。
自分の中に初めて年表ができた。中身は電車のことばかりだが、時の流れと物事が発展する様子を連携させる年表のような思考方法を手に入れた。
それから、車や戦争、どこかの国で昔起こったことなどを聞くたびに僕の頭の中の年表にそれを入れていくようになった。
産業革命や戦争など、世界の大きな変化の後には、我々の生活レベルの出来事にも変化が起きている。
こういう事が起きていたのか。きっとそれは電車の発展で交通網が発達したことも関係しているだろうな…みたいな、手に入れた知識を横に広げていく作業がとても面白い。
そうなるともっと歴史を知りたくなってくる。僕の頭の中の年表はまだほとんど白紙だ。この本で、基礎を叩き込みたい。
55ページ読んで…
人類の始まり~ローマ帝国崩壊まで
今思い返すと、ヨーロッパの歴史を学ぶとカタカナが多すぎて僕は拒絶反応を示していたことがわかる。
いまはあの時のように、必死に名前を覚えなくていいので、歴史の流れ重視で頭にインプットする。
そうやってゆっくり振り返ってみると、名前・役職名・身分などの単語がすべて「~~ウス」みたいな語感で、それが入り混じっていたことに初めて気づく。全部人の固有名詞だと思っていた。
本を読みながら、チョコレートプラネットのコントが頭に浮かぶ。
改めてヨーロッパの歴史を学ぶととても面白い。
特に、すべての始まりがギリシャにあることを高校時代に知っていいればよかった。
あの時は、きれいな海~くらいにしか思っていなかったが、この本を読むとめちゃくちゃ歴史的にすごいところだったことがわかる。
ポリスの成り立ちも面白い。小高い山の上に都市ができていったとあるが、これは外敵からの防衛も目的にあっただろう。フォートナイトで高い場所をとって櫓を建てるのと一緒だ。周りが見やすく、守りやすく、戦いやすい。
そう考えると、バトルロワイヤル形式のフォートナイトは極小サイズの国家間の戦争と捉えてもいい。アテネとスパルタの戦争においてマケドニアが勝利した理由が漁夫の利だというが、生き残ることが最優先の戦いの中では漁夫の利が強い事はフォートナイトも一緒だ。歴史と好きなものがまた繋がった。
ちなみにアサシンクリードオデッセイでは、このアテネとスパルタの戦争が舞台となっているらしい。ここまで知ると、ゲームにも興味が出てくる。
ギリシャ人もローマ人も民主主義という方法を作り出していることが面白い。
ただ、細かい方法の違いや、政策の概要までは記載がないため、自分で勉強したい。ただ、この本のボリュームが大きいため、1度全部読み終えてから改めて読み直して細かい部分を塗り足していきたい。
80ページまで読んで…
いったんヨーロッパ偏が完結。
ローマ帝国から、イギリス・フランス・ドイツのもととなる3国に分裂していくこと初めて知った。それと宗教が根深く関係していることもわかった。
ローマが東西に2分されたことで、宗教も大きく2つの派閥に分かれたり、
教皇の力が強くなり統治を始めたかと思ったら、権力に溺れ、王国側が力を取り戻すなど、まさに宗教がこの時代の国々を成長させたと言って過言ではない。
十字軍遠征の話がでたので、またアサシンクリードのストーリーを確認した。
今回は十字軍が主語となって歴史を学んでいるが、ゲーム上では十字軍は敵として描かれている。歴史を知れば知るほどアサシンクリードの世界をより理解できそう。
民族大移動、ゲルマン人の大移動についてもやっと理解できた。
民族の移動と、土地ごとにできた民族の分布地図をみると言語の違いにそのままつながりそうで、そのへんの言語文化との兼ね合いにも興味が出た。
90ページまで読んで…
中東偏に突入。
エジプトとイスラエルの近さに初めて気づく。
大陸が別なので、もっと遠いと思い込んでいた。
それとヘブライ人の捕虜人生を知る。何かと捕虜にされてしまうヘブライ人。
民族の人柄が送させてしまうのか…ユダヤ教が選民思考であることにも深くうなづける。
99ページ読んで…
メソポタミアとは何のことか調べてみると、ギリシア語で複数の河を意味する。
いまのイラクにあるチグリス川とユーフラテス川、この二つの河を軸に文明が栄えていく。
アケメネス朝の「朝」は王朝のことを指す。国は変わらずとも、王家の血筋が変わることが多々あるなかで、その血筋のことをまとめて王朝、朝と呼ぶ。歴史家が説明する際に使った言い方であるため、王族自らが王朝と名乗ることはない。
ちなみにアケメネス朝ペルシアはペルシアを収めていたアケメネスの一族の時代を指す。アケメネスはほぼ伝説上の人。
ササン朝ペルシアのササンは、王朝を始めた人のおじいちゃんのなまえ。
イスラム原理主義、イスラムの経典の教えを未だに固く守っている人。1400年前の教えをかたくなに守ろうとするばかりに、対立を起こしがち。
世界史の教科書を読んで…
ここで、偶然にも世界史の教科書を手に入れる機会があったので、細かな知識を並行読みできればより歴史を学べると思い、読んでみた。
しかし、出てくる単語の説明は本著の説明を超えることがあまりなく、時々出てくる地図が参考になるくらいであった。
あと、明朝体の退屈さを思い出した。いま僕らが触れている文章のほとんどはゴシック体で表されえているためなのか、明朝体の文字を読むといかにも教科書!っていう感じで、それだけで退屈に思えてしまう。フォントの力は恐ろしい。
僕は教科書を同時に読むのはやめて、気になった箇所の詳細が無いか調べるためにそばに置いておこうと思った。
シーアは党派を意味する言葉。大勢のイスラムの中で、正当な血統のみをカリフとするという意思を持った一派で合った。そこから党派という意味のシーアにつながっている。
スンニは慣行を意味する言葉。イスラム全体の意思に従うよという、イスラムの最大多数派といった感じ。
112ページ読んで…
中東の歴史偏完結。
イスラムの広がり方と民族の王朝の取り合いが面白い。
ヨーロッパとは違い、大きく宗教派閥の対立は無いが、民族での争いが多く覇権争いが激しい。
面白いのは、エジプトなどの北アフリカに大きくイスラムの勢力が広がっていたことを知ったこと。これはつまり今もイスラム文化の名残がある、独特の町を形成しているということでもあるはず。
アフリカ文化やスペイン文化とイスラム文化がまじりあっているという街にはぜひ行ってみたくなる。
宗教の行動が独特なだけに、いまはその習慣がどのように現地になじんでいるのか朝興味がある。
スペインのグラナダにはぜひ行ってみたい。
128ページ読んで…
インド編が終了。
他の文化に比べて量が少ないが、仏教ができあがるなど日本文化にも関連性のある出来事が起こるので、楽しい。
イスラムと西洋が入り混じる独特な文化なのか。文化が混じるのは僕としてはとても好きなので、西洋的な要素が混ざったガンダーラ美術などは一度見てみたいと思った。
それと王朝の勢力地図を見比べると、インドの南方面が常に影響を受けず独立していることがわかる。この後取り上げられるのかわからないが、気になる。
多神教で階級制度のヒンドゥー教とイスラム教が地域的に隣り合わせているのも面白い。ムガル帝国がそれをひとまとめにしようとした事がすごい。
そもそも神様の形式が違うのに、仲良くできたのか…
140ページ読んで…
中国編開始。
今回は特にキングダムの舞台である春秋時代について学んだ。
万里の長城が北の国への防御として作られたもので、しかも元はバラバラだったのが、国の統一に合わせて繋げられたなんて知らなかった。
もう一度キングダム読み返そ。
162ページ読んで…
秦の始皇帝から始まり、漢、新、三国、晋、隋、唐、宋と様々な国に変化していったことを学ぶ。
三国志は想像しやすくてよかった。ゲームだと最後までやらないからストーリーよく知らないし、みんな主人公みたいなブランディングしてるから、どこが生き残るのか知らなかった。結局三国のどこも生き残れなかったという、一番面白い結末。かつやはりバトルロワイヤルは漁夫の利が強いということが改めて証明された。
正直、中国の歴史はほとんど覚えてなくて、高1の授業でやったのかと疑うほどの記憶しかない。
中国は宗教というより、皇帝と部下の反逆が何度も繰り返されているのと、近隣の国々との争いがメイン。
キングダムを読むといろんな人が天下を取ろうと、トップの転覆を企んでいるので、こうやって王朝は変わっていくのかと勉強になる。
176ページ読んで…
モンゴルの繁栄、それと漢民族が合体し一つの国になるような流れを学んだ。
叔母の家にいたゴールデンレトリーバーはテムジンという名前だったのだが、チンギスハンの幼少期の名前だったらしい。
中国の話はわかりづらいのと、あまり面白くないので読んでいると寝てしまう。ひとまず目を通して、もう一度後で読み直したい。
188ページ読んで…
ついに大航海時代が始まる。
今までユーラシア大陸の文明について歴史を学んでいたので、僕の頭の世界は4大文明のことしかなかった。
だからアメリカ大陸の話が出てきたときに、あっ!そんなところにこんな大きな大陸あるの?!すごい!
と、当時の人が感じたであろう驚きを体験することができた。
すごい。ポケモンの金銀版でカントー地方に行けるようになって、ステージが倍に広くなった!という感じと似ているだろうか。
美術と宗教の話もおもしろい。
ルネサンスの意味をちゃんと学んだ。神の目線から、人の目線へ戻すこと。
1300年くらいに起きたこの特異点を知っていると、これから絵画を見るときの一つのポイントになる。
あとは宗教改革。権力と金に目がくらむカトリックに反対する人々の誕生。
ルターが聖書をドイツ語訳することが抵抗になる理由がわからなかった。
キリスト教がヨーロッパで定着する過程で、多くの農民はラテン語を解せないので教会や聖職者の言葉を通じて教えられるに過ぎなくなっていた。
使徒パウロや教父アウグスティヌスの思想は本来的な福音信仰であったが、中世カトリック教会ではローマ教皇が圧倒的な権威をもち、民衆は幼児洗礼によって自らの意思とかかわりなく村落ごとに教会に属し、また教会・聖職者自身も封建領主として存在するようになり、腐敗堕落も進み、本来のイエスの教えから乖離する有様となっていった。
ということだそうだ。カトリック教会の人の言うがままになっているのを脱して、聖書のいう事を信じようという対抗手段ということか。
196ページ読んで…
国の在り方が変わった中世ヨーロッパ。
戦争が盛んになり、国の在り方もバージョンアップしたということ。
独裁国家が戦争を続けると、民衆との軋轢から、国民と王族のパワー関係が行ったり来たりする。これは他の地域の歴史でも同じことが起こっている。
やはり、戦争という国境の境界線があいまいな時に、権力だけで人を従わせるには限界があるという事だろう。
宗教を押さえつけようとして戦争が生まれていることも、注目すべき点だと感じた。プロテスタントを押さえつけようとしたカトリック派のスペインは、この行為によってオランダの独立を招いてしまう。人の思想は、押さえつけられるものではないという事を学べるわかりやすい歴史だと思う。
オランダの独立戦争についてもう少し調べると、面白い話につながった。
オランダ独立戦争でスペインが負けた要因が宗教戦争であった。新教、プロテスタント派であったオランダをイギリスやドイツなどの周辺国がサポートしたことによって、オランダは独立への道を歩む。
オランダ東インド会社は貿易で経済圧力をかけてきたスペインに対抗して、独自に航路を開拓しながら、武装してスペイン領のアジア拠点を襲撃する。まさに海賊である。
パイレーツオブカリビアンのカリブの海賊はここから100年後くらいの話なのだが、彼ら海賊のルーツはここにあるということだ。
また、この当時の海賊で一番有名なのが、アンチャーテッドで主人公ドレイクの祖先といわれている、フランシス=ドレークだ。
大航海時代の始まりと共に、大海賊時代の幕が上がったのである。
オランダ独立戦争からここまで知識がつながるとめちゃくちゃ楽しい。
198ページ読んで…
イギリスやフランスでも宗教革命が起こり、帝国スペイン率いるカトリック教と対立する宗教派閥の勢力が力を増す。
イギリスはカルヴァン派とイギリス国教会。フランスでもカルヴァン派が権力の軸となる。
それぞれの違いについて知りたくなった。
カルヴァン派は、聖書中心主義。罪の許しを神父さんに伝え許しをもらうカトリックに対して、カルヴァン派は贖罪とか関係なく、すべては神の決めた運命のとおりになるというスタンス。だいぶ縛りがきついように見えるが、資本主義が成長するこの時代に、キリスト教的には利益を求めることは良しとしないのだが、「自分に与えられた職業に全力を尽くすことが神の定めた道」と考えるカルヴァン派の教えが、みんなを積極的に労働へと促し、ヨーロッパは成長していったらしい。
イギリス国教会はプロテスタントと同じ教義を持つが、儀式はカトリック形式が多い。そもそも宗教革命で生まれた派閥ではなく、ヘンリ8世が男の子を生むために、奥さんと別れたくて、離婚を許さないカトリックから離れるために作った。なので、カトリックの儀式を継いでいる部分が多いが、宗教の捉え方で分裂しているためこのような形になっている。
ルター派は主に農民に広まっていく。カルヴァン派と比べると、予定説を唱えていない。つまり、利益追求は認めていないため、当時の商人たちには受け入れてもらえなかった。成長しようとする国では受け入れてもらえなかったそういう宗教。
222ページ読んで…
大航海時代が終わり、貿易が盛んにおこなわれ植民地も次々と増えていった世界。
王国の権力に嫌気がさした国民の革命時代が訪れる。
ヨーロッパはいままで宗教を軸とした戦争や革命が多かったため、その時と比べると、新しい考え方、価値観が生まれたという事だろうか。
王が神の力を使って人々を束ねることに限界が来たという事か。資本主義が生まれ、国民にもリーダー的存在が次々と生まれたのだろうか。
神の教えだけではやっていけない時代に突入したという事だろうか。
233ページ読んで…
フランスを中心とした革命の時代。
有名な絵画、民衆を導く自由の女神が描くのがこの時代だ。
2月の革命や7月の革命といったように、革命の名称が日付で表されていることからも、短い間に何度も政権が変わる、不安定な情勢だったことがわかる。
ウィーン会議で定められた国境は、スペインやポルトガル、フランスなど今でも変わらず残っている。まさに歴史が現代に近づいていることを感じる。
そろそろ第一次大戦になるので、BF1の世界に入る。この前まで海賊がどうこう言っていたはずなのに、もう戦争になるのかと思うと時の流れは早い。
ドイツがプロイセンとオーストリアで対立したまま、ここまで来ている。BF1でも確かにオーストリア兵が独立して描かれていた。何も知らないと、なぜオーストリア?と思うが、歴史を知っていれば当たり前に感じる。
249ページ読んで…
帝国時代。イギリスとフランスの2大国が世界中を植民地にしようとする。
アフリカの分割についても学んだ。
いわれてみれば、アフリカの国境はまっすぐに線が引かれすぎていて奇妙だった。
その理由が植民地支配時代のヨーロッパの国盗り合戦によるものだとは知らなかった。
252ページ読んで…
ロシアがじわじわと領土を広げようとしていた。
この時中国は諸外国に植民地化され放題。
ロシアも同じように領土を広げる。という事は北方領土みたいに、中国とロシアでもめている国境があるのだろうか。気になる。
それと気づかなかったが、過去のロシアの話なのに、ソ連という呼ばれ方をしていない。そして、国民の王宮に対するデモが活発化してきたときに初めてソヴィエトというワードが出てくる。ロシアの歴史も面白い。
ということで中国とロシアの国境問題を調べてみた。
彼らの間には河が流れており、基本その河を境目にしているらしい。
日本は島国なのでこの感覚が無かったが、河や山脈という変えようがない、はっきりとした境目があるからこそ、日本とロシアほど領土問題になっていないのか。
というか領土問題になるということは戦争になるということに等しいだろう。
取り合うのが島などの点ではなく、国境という線なのだから。
日本とロシアは、逆に取り合うのが島だからここまで揉めてしまっているようにも思えた。島にははっきりとした境目が無い。国境において、線となりえないからだ。
中国とロシアもダマンスキー島・珍宝島においては所有権で問題になっている。
それと、改めて驚いたことは1850年ごろのこの時に、まだ日本は鎖国をしている事だった。日露戦争などの話が出てきていたので、とっくに侍などいなくなったと思っていたが、戦争が始まるほんの50年前まで日本はまだ江戸幕府で、ちょんまげの人たちがたくさんいたということだ。まじでびびる。
諸外国は植民地とか、産業革命で資本主義だとか言っているのに、日本はまだ鎖国。
外国人から見たら本当に独特な国なのだろう。しかもこれから、一気に経済成長を遂げる。まじで意味わかんない。強い。
歴史の勉強本当に面白い。
272ページ読んで…
ドイツ対ロシアの構図で始まった第1次大戦。
気になったことは、世界恐慌の理由と、イタリアのファシズムと日本のファシズム。
その結果、敗戦国のドイツは多額の賠償金を抱え、勝利側にいたはずのフランスとイギリスも多額の借金をアメリカに対して抱えてしまう。
・世界恐慌の理由
ここでアメリカが世界経済の中心となる。第1次大戦がもたらしたのはアメリカ繁栄だった。
戦争で疲弊したヨーロッパに代わり、様々な生産をアメリカが引き受ける。過剰生産なほどに生産を続けるアメリカだったが、株価は以前高騰し続ける。
戦争が終わり、ヨーロッパの産業も安定を取り戻しつつあるころ、いまだ過剰生産な状態を維持していたアメリカは、物資の余剰が生まれ始める。
この状況に危惧した投資家たちの、株の売却がきっかけとなりアメリカの株価が大暴落。世界恐慌が始まる。
・イタリアのファシズム
ファシズムというとドイツのナチスが有名すぎて、同盟国であった日本やイタリアについてよく知らない。そこで調べてみた。
ファシズムとは全体主義と訳すことができ、独裁世間の元、個人のすべては全体に従属すべきという政治的思想のこと。
簡潔に言えば、独裁政権というやつだ。イタリアの場合はムッソリーニ。
イタリアは植民地がなく、戦後のインフレで農民たちが不満を抱え、反旗を翻す。しかしこの反乱が失敗に終わり、逆に経営者層の怒りを買ってしまう。ムソリーニたちはこの中流階級の経営者層をうまく取り込み勢力を大きくしていった。
276ページ読んで…
中東の近代史。
オスマン帝国はトルコ人が多数の民族をまとめている状態だったが、その統率力が弱くなり、各民族が独立し始める。
ワッハーブ派のサウード家。サウード家のアラビアという意味で、サウジアラビアという国ができる。アラビアとは地名のこと。アラビア半島。
278ページ読んで…
アラビア、エジプトと離脱をされてしまったオスマン帝国だが、改革を行う。
それがタンジマート。簡単に言うと、ムスリム主導主義を改め、雄面帝国全国民に平等に権利を与えるという、アジアで初めての西洋的体系を取り入れる改革だった。
ここで気づいたのは、国同士の関係性の強弱が経済主導になっていることだ。今までは戦争により、武力での優劣で王朝が入れ替わったり、領土が取り込まれていた。
おそらくだが、第1次大戦終結後に結ばれた14ヶ条の原則にて、民族自決主義が確立された事がターニングポイントなんじゃないかと思う。
それぞれの民族が自分たち国家を持つことを尊重する民族自決が確立したおかげで、巨大な国が簡単に他国を飲み込むという事が無くなる。
さらに、産業革命によって生産力が上がり、国内需要を大きく超える供給を作り出してしまった各国が、他国と経済貿易という形で関係を持ち始める。領土と武力をとりあっていた関係から、経済で関係を持つ。人間が作り出す兵器がどんどん強力になり、隣国と争いを起こして、領土を取り合うだけでは収まらないほどの力が生まれてしまったからなのか。
第1次世界大戦は人間の文明の力が、国だけでなく人類全員を滅ぼしかねないレベルまできてしまったということを人間に気づかせる戦争だったのかもしれない。
オスマン帝国が初めて、アジア圏で憲法を設立する。では憲法とはなんだろうか。
憲法は国が国民の権利を守るために制定するルールのこと。始まりはイギリスが十字軍を派遣していたころに遡る。P75。イギリスは他国に比べて議会の権力が強いイメージがあるが、それはこの時代に王朝の力が弱く、貴族から国民のためのルール=憲法の始まり=マグナカルタを突き付けられたことに始まる。
王朝の支配から、国民を守るために定められたルールが憲法ということだ。
(ちなみに聖徳太子の17条の憲法は貴族に対する道徳的規範の面が強いのでここにはあてはまらない。)
288ページ読んで…
中東エリアが第1次大戦のころどのような動きをしていたのか学んだ。
オスマン帝国の没落、トルコの誕生、トルコの快進撃。
敗戦国であるトルコが実力で諸外国から権利を取り戻していくというのは、歴史上でもとても珍しいことらしい。そう聞くと、トルコに行ってみたくなる。
インドの歴史。イギリスの支配によって、ヒンドゥー教とイスラム教で大きく対立したインド。それからインドとパキスタンに分かれ、今でも対立している。今回は宗教での対立がかなり大きい。あとイギリスがイスラム教を支援していたことには驚いた。イギリス国とイスラムのつながりをあまり感じたことが無かったからだ。もしかしたら英国にいけばそれを感じる瞬間があるのであろうか。
318ページまで読んで…
第2次大戦終結後、冷戦の歴史を学ぶ。
ドイツが東西に分けられたのは知っていたが、ベルリンの壁が作られたのはスターリンの死後、冷戦の勢いが衰えた後だというのは知らなかった。
また朝鮮戦争によって、韓国と北朝鮮の国境ができたことを知った。ここもアメリカとソ連の対立が絡んでいたという事は知らなかった。
キューバ危機はMGS3がまさに舞台としていた時代だ。大河ドラマは日本の各歴史を部分ごとに切り取って物語としているが、僕にとっては世界史とゲームがその関係に近い。海賊時代、ギリシャ文明、第1次大戦、キューバ危機と冷戦。今までプレイしてきたゲームがどんどん実際の歴史の勉強と結びついてきて楽しい。
全351ページ読了。
最後は冷戦終結から、現代に残る戦争の話。
イギリスはヨーロッパの経済連合になかなか入ろうとしなかった。やはり島国という風土もあるのだろう。自国を自分たちだけで統治するというか、他国の人間に深く入ってほしくない意識があるのだと思う。これは島国日本だからこそなんとなく気持ちはわかる。そして、いまEUから脱退しようとしているのもイギリスである。このニュースは、先の歴史を学ぶとなおさら理解ができる。肌に合わなかった。そういう感覚があったのだろう。
イスラエルの話はなんとなく知っていたけど、インドとパキスタンが対立していたなんて知らなかった。しかも1次大戦からの因縁が続いているなんて。
宗教の違いと、国の統治の違い。この二つが人類を文明が生まれた当初からずっと仲違いの原因となっている。それだけ人が生きる上での根源というか、主軸になっているものなのだ。
日本は島国で、領土を大きく侵略されたことはないし、宗教による思想の行き違いを経験する機会も少ない。とても特殊な国だと改めて学んだ。
3か月読み終えるのにかかりました。
次は日本史勉強するぞ