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【読書中感想文】WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜 (NewsPicks Book) 佐渡島 庸平

読書中感想文

WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜 (NewsPicks Book)

佐渡島 庸平

 

1、仕事をするのは当たり前か

僕が感じていたもやもやの一つ。能動的に仕事をしている状態が理想なのに、受け身体制で仕事をしていることにもやもやしている。

現在の人間が作った社会で生きていく上ではなにかしらの労働をするか、国から保護を受けるしかない。

ただ、インターネットの普及によって、習慣という言葉で終わらせていた、違和感を取り払えるようになってきている。では、価値観が変わり、今までできなかったことができる世界になり、小さな不満を持つ人間が、ネット上でつながるようになった今、僕の理想の状態はなんだろうか。

 

2、コミュニティ

インターネットの情報量が膨大になったいま、大量の情報を正しく判断できる事が大事だ。

世の中には、良い情報を集めた場所がたくさんある。良い情報をたくさん集められるだけでも価値がある。

 

肥満よりも孤独感のほうが深刻な脅威である

 

3、インターネットの普及により、ハード重視からソフト重視になっていった

製造業でも、単に製品の特長だけではお客さんは買ってくれなくなっている。

お客さんの要望を提示する、要望を聞いて最適化した製品を提供する。

製品そのものではなく、解決方法、ソリューション的なやつを提示していかないとお客さんは買ってくれなくなる。

みんなネットである程度検索してからメーカーに来るので、他社に、ソリューションを提供する方法で商売をされたら絶対勝てないだろう。

 

4,健全なコニュニティ

佐渡島さんのこの本を書く根源が見えた気がする。君たちはどう生きるかの作者に関わり、200万部売れるのを目の当たりにしながら、彼のTwitterは1000人ほどしか増えなかった。

インターネット上のコミュニティにも適正や、見極めが必要だと感じたのだろう。

 

5、コミュニティの在り方が変わっている

クリエイターにとって大事なことは自分のファンコミュニティを持つこと。しっかりとしたファンがつけば、目先の売上に手を出さずに、質の高いコンテンツの作成に注力できる。

現代はインターネットによって、かつてのファンクラブとは違うコミュニティの形を生成している。一番の違いはファン同士の交流。ファンクラブではなく、ファンコミュニティを作ることができる。SNSの普及によって、コンテンツ・投稿に対してコメントをすることが当たり前となった。さらにコメント内で議論や賛否の意見を交わすことに僕たちは何も違和感がない。

これは意図的に作られたシステムではなく、時代の流れとして自然的に作られたのではないだろうか。ネットの力で、個の意見が伝わりやすくなったのは、ファンコミュニティだけではない。

会社においても、情報共有が各社員同士で直接行われる。おそらく今まであったであろう、上司に説明し、部課長会議で議題に上げられ、その後、管理職人で議論された内容が別部署の社員にやっと届くといった一本の矢印で表せるような情報の流れと全く違う動きになる。一人の社員の投稿が放射状に社長、直属の上司、他部署の人、後輩、全員に均等に情報が流れていく。デジタルに疎い人がたくさん在籍する、中小企業の情報共有の形でさえ、インターネットの力で変化している。

 

この本はモノを売る、経営者のビジネスの話と、クリエイターを支える編集者目線の話が混在している。

 

6、安心・安全の話

父親が僕にこの前言っていた、「生半可な気持ちでは成功しない」という言葉は、僕に発破をかけようと思って言っていたのだろうか。

からしたら、不安を煽るような言葉にしか聞こえないので、なぜ息子の挑戦を止めるような言葉を言うのかと返す言葉に詰まった。

安心や、安全を捨ててでも挑戦したいという気持ちが再燃したいま、あの言葉は、僕が今の会社にいるように留める言葉にしか聞こえなかった。

 

7、熱狂とモチベーション

コミュニティの継続には熱狂が必要である。

熱狂には2種類、テンションが高い状態と、モチベーションが高い状態がある。僕はずっとテンションをどうにかあげて行動してきた気がする。大学のサークル、会社の仕事、その場限りのテンションを上げてきたために、熱しやすく冷めやすい行動をとってきた。

転職の話にもつながるが、目標や理想の姿をしっかり見据えることが今の僕には必要だ。その場限りの楽しさだけで考えるのではなく、方向を見据えてやりたいことを考える。

きっとキャンプブログは、先例がたくさんある分、理想の形ややりたいことがはっきりとしているからテンションとは違う継続の仕方をしているのだと思う。

途切れ途切れで活動しながらも、ブログ製作が続いているのは僕にとっては珍しい。

 

後半はコミュニティの在り方、運営の仕方について語られていた。

リアクションを設計する

役割を設計する

納品主義、アップデート主義

筆者が編集者であるために、現代のクリエイターのためのコミュニティの在り方がこの本の主題であると感じた。

僕にとっては仕事よりも、キャンプブログの運営について勉強になることが多かった。

 

あと、この読書中感想文という、本を読みながら思ったことを書き連ねて常に更新するという形を今回思いついてやってみたのだが、まさに納品主義からアップデート主義に変化させた実例そのものだったので笑ってしまった。

情報に溢れ、常に新しいものに触れている僕らの生活にとって、質の高い完成品を目指して根を詰めて一つの物を完成させることは、時代の生き方に合っていないのだろうか。

僕は最近、本を読むときに出版日を最初に確認する癖がついた。5年前の本の情報は、今の時代にとっては正しい情報や考え方ではないことがたくさんあるし、下手したら1年前の情報でも、新技術によって意味をなさない時もある。

つまり発信したい情報は、その瞬間に発信する事が一番鮮度が良く、価値を持つような気がする。

と、こんなことを書いているが、実際は、本を読んだ後にだらだらと感想文を書くのは性に合わないので、読みながら書いてしまおうというのが本音である。 

 僕らはデジタルネイティブ世代だ。学生時代からわからないことは検索し続けている。

そんな僕らにとっては当たり前すぎて言語化していなかった、コミュニティの特長や現代の形に合わせて変形していったその変革をこの本で学ぶことができた。